日本臨床免疫学会会誌
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パルス療法が効果的だった間質性肺炎を合併したシェーグレン症候群の1例
出原 賢治井本 昌宏松原 不二夫本村 正治徳永 三千代久永 増美
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1991 年 14 巻 2 号 p. 195-202

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抄録
呼吸器症状を主症状とし,合併した間質性肺炎にパルス療法が奏功したシェーグレン症候群の1例を経験した.症例は60歳の女性で,主訴は労作時の息切れ,全身倦怠感,食欲不振.平成2年になって口腔内の乾燥症状とともに,労作時の息切れ,全身倦怠感が出現.後者が増強したため当科受診し入院となった.両背下部でfine cracklesを聴取,血沈亢進,低酸素血症,拘束性肺機能障害を認めた.胸部X線写真で両側下肺野に間質性陰影を認めた.シャーマー試験,ローズ・ベンガル試験,口唇生検よりシェーグレン症候群と,肺生検により間質性肺炎と診断した.パルス療法を施行し,症状,所見ともに改善した.シェーグレン症候群において,このように呼吸器症状が高度で,しかもシェーグレン症候群の診断時にすでに認められたことは非常にまれと考えられた.またパルス療法はこのような症例で効果的と考えられた.
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