日本臨床免疫学会会誌
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Leu M1 (CD 15)+B細胞の慢性関節リウマチ患者における検討
池田 悦子武井 正美康 浩一西成田 進澤田 滋正堀江 孝至
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1991 年 14 巻 4 号 p. 368-375

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抄録
われわれは, RA患者末梢血よりphorbol myristate acetate (PMA)刺激を行いB細胞株であるTKS-1を樹立した. TKS-1は, κ鎖, B細胞マーカーの二重染色, κ鎖遺伝子のrearrangementにより,単クローン性B細胞株であった.さらに従来,単球,顆粒球,ホジキン細胞マーカーとされていたCD 15抗原をその細胞表面に表現していた.このようなB細胞亜分画は,これまで報告されておらず,次に無刺激の末梢血中のLeu M1 (CD 15)+B細胞について検討した.間質性肺炎,蜂窩織炎などの合併症を有する活動性の高いRA患者3例でCD 15+B細胞が末梢血中に認められた.それらのCD 15+B細胞亜分画はステロイドの投与により臨床症状が改善するとともに速やかに消失し, RAの再燃により増加を認めた・他のsystemic lupus erythematosus (SLE)を含む膠原病,感染症,間質性肺炎では, CD 15+B細胞亜分画は末梢血中に認められなかった.ある特定の条件下におかれた活動性の高いRA患者の末梢血中にCD 15+B細胞を認めえた.
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