抄録
症例は21歳男性. 1989年10月,発熱にて当科受診.尿蛋白300mg/dl,抗核抗体160×,抗DNA抗体827U/mlよりSLEと診断した.発熱は持続し,初診時は10.6g/dlであったヘモグロビン濃度が12月6日には6.4g/dlと急速な貧血の進行を認め,さらに脱毛および皮疹が出現したため, 12月16日当科入院となった.貧血は正球性正色素性であったが溶血の所見を認めず,骨髄中の赤芽球は全有核細胞の6%と著明な低形成であったためSLEにともなう赤芽球癆と診断した.プレドニゾロン60mg/日より治療を開始したが,発熱,骨髄像に変化なく,ステロイドパルス療法を施行し,解熱および皮疹の改善,血清学的なSLEの寛解とともに,骨髄に赤芽球の増加(26%)および貧血の改善が認められた.本症例のSLEに合併した赤芽球癆では,ステロイドパルス療法が適切であると考えられた.なお,コロニー形成法により本症例の赤血球造血障害部位はCFU-Eから前赤芽球にいたる段階にあると推定された.