日本臨床免疫学会会誌
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全身性エリテマトーデスにおける尿中抗核抗体の意義
菅原 正弘橋本 博史谷口 修高崎 芳成廣瀬 俊一
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1992 年 15 巻 1 号 p. 13-19

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抄録
全身性エリテマトーデス(SLE)における尿中各種抗核抗体の測定を行い,その意義を検討した.尿中抗核抗体価は血中抗体価,尿中IgG量と有意の相関を示した(p<0.001).また,血中でspeckled patternを呈した症例はhomogeneousを呈した症例に比し尿中ANA陽性例が有意に多く認められた(p<0.01).通常検査で蛋白尿陰性にもかかわらず尿中ANA陽性例がみられたが,全例血中ANA値×2,560以上と高値で尿中IgG量も尿中ANA陰性例に比し有意に多く認められた(p<0.01).
ELISAによる血中抗体陽性例を用いた検討では抗Sm抗体は抗DNA抗体に比し尿中陽性例が有意に多く認められた(p<0.01).
尿中抗核抗体は腎症の早期診断には不適と思われたが,臨床への応用の可能性が示唆された.
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