Common variable hypogammaglobulinemia (CVH) 11例の
in vitroにおける免疫グロブリン産生能の検討を酵素抗体法を用い行った.全例,単核球単独の培養上清中に産生される免疫グロブリン量は極めて低値で,この培養系にPWMを添加しても免疫グロブリン産生の増加は認められなかった. 11例中6例に, B細胞の機能異常が,また, 11例中5例に, T細胞の機能異常が示され,さらにこの5例中3例では,サプレッサー活性の亢進が証明された.
サプレッサー活性の亢進が証明された2証例に, cimetidine 800mg/day, 4週間経口投与したところ,血清免疫グロブリン値が1例では不変,他の1例では軽度の上昇傾向を示した.また2症例とも投与期間中,感染を認めず,臨床的効果が認められた.しかし, 2症例の末梢血単核球培養系にシメチジン各種濃度(0.1~100μg/m
l)を添加しても,産生される免疫グロブリン量には有意な影響は認められなかった.また患者T細胞と正常人B細胞とを組み合わせた培養系にシメチジン各種濃度(0.1~100μg/m
l)を添加した場合にも有意な変化はみられなかった.シメチジン投与前後での,リンパ球表面細胞膜マーカー,単核球の免疫グロブリン産生能,正常人免疫グロブリン産生に及ぼすサプレッサー機能にも明らかな変化は認められなかった.
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