日本臨床免疫学会会誌
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高感度免疫学的定量法CRP
西田 陽大谷 英樹
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1992 年 15 巻 6 号 p. 627-636

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抄録
C-reactive protein (CRP)定量法は日常検査として普及している.我々は,高感度定量法としてLatex Photometric Immunoassay with near infrared turbidimetry (LPIA)を用い,客観的診断が困難であった,新生児の敗血症の早期診断の指標として低濃度域CRPの定量値についてモニタリングを試みた.最終臨床診断が敗血症であった33例, 36エピソードとコントロール群として21例25エピソードについて感度・特異度について検討した. CRPを経時的に測定し,上昇傾向を有意とする基準がもっとも有用であった.すなわち,感度100%,特異度92%と最も良好な結果が得られた.他方,特定の境界値による異常高値の判定は実用に十分でなかった. CRP高感度定量法によって従来法では測定しえなかった低濃度域CRPを定量し,経時的にモニターすることが新生児敗血症の早期診断に極めて有用であることが明らかにされた.
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