日本臨床免疫学会会誌
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C1活性化よりみたC1q固相法と抗C1q抗体法による免疫複合体測定の相違
都築 徹哉川村 直人村上 和隆長谷川 みどり川島 司郎
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1993 年 16 巻 4 号 p. 280-289

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抄録
正常血清に種々の濃度で熱変性IgG (HAG)を添加して37°Cでインキュベーションし, C1q固相法と抗C1q抗体法で免疫複合体(IC)を測定すると同時に, C1活性化の指標となる(C〓-C〓) C〓inhibitor2 complexの変動を観察した.
C1q固相法によるIC値は, HAG添加後経時的に低下し,抗C1q抗体法によるIC値と(C〓-C〓) C〓inhibitor2 complex値はHAG添加後経時的に増加した. C1q固相法と抗C1q抗体法によって測定されるIC値は, C1活性化の面において明らかな相違があり, C1とHAGの結合に続いてC1の活性化が起きたことが明確に示された.この実験結果から免疫複合体疾患において,両測定法でIC値を測定することにより, ICと疾患の活動性や病因とのかかわりがより明確に理解されると思われた.抗C1q抗体法によるICのみが持続的に陽性のITP症例では,ステロイド治療によりIC値と(C〓-C〓) C〓inhibitor2 complex値および血小板表面IgGが低下し,血小板数とCH50が回復する経過が観察された.
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