1994 年 17 巻 2 号 p. 128-133
近年,治療抵抗性の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対し,メチルプレドニゾロン(M-PSL)パルス療法の成績が散発的に報告されている.本療法は小児例では有効とされているが,成人例での有用性は確立していない.
今回,われわれは標準的な副腎皮質ホルモン療法が無効であった成人ITP 4例に対し, M-PSLパルス療法を施行した.その結果, 2例はパルス療法後も長期に寛解あるいは部分寛解を維持し,他の1例では一過性の効果を認めた.残りの1例は, M-PSLパルス療法は無効で,摘脾や免疫抑制剤の投与にも抵抗性を示した.今回の成績は, M-PSLパルス療法が治療抵抗性の成人ITPに対しても有用な治療法の1つになりうることを示唆している.