日本臨床免疫学会会誌
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側頭動脈炎の診断2年後に悪性腫瘍を発症した2例
鈴木 憲明牛山 理大田 明英山口 雅也
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1995 年 18 巻 1 号 p. 104-109

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抄録
側頭動脈炎(TA)診断の約2年後,悪性腫瘍を発症した2例を経験した.
症例1.は, 79歳の女性.頭痛,血沈亢進を認め,側頭動脈生検よりTAの診断を得た.非ステロイド抗炎症薬にて軽快したが,約2年後,子宮頚癌を発症し死亡した.
症例2.は, 69歳の女性.リウマチ性多発筋痛症,頭痛,血沈亢進に加え,側頭動脈生検によりTAの診断を得た.プレドニゾロンにて軽快し,漸減後中止できたが,約2年後,急性骨髄性白血病を発症した.
当科で経験したTAの3例のうち,側頭動脈生検にて明らかな巨細胞動脈炎の組織像をもつ2例がいずれも悪性腫瘍を発症したことから, TAにおける悪性腫瘍発症の危険性が注目された.
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