症例は22歳女性. 19歳時,多関節痛,朝のこわばりが出現,慢性関節リウマチ(RA)と診断された. Prednisolone,経口金剤,非ステロイド性消炎鎮痛剤などの投薬にてコントロールされていたが, RA発症1年8カ月後より,下痢,蛋白尿が出現し当科入院.入院時, CRP 2.7mg/d
l,赤沈値26mm/hr, RF 55IU/m
lで多関節痛, 1日2~3回の下痢および蛋白尿(0.3g/day)を認めた. Prednisolone 5mg/dayにMethotrexate 7.5mg/weekを併用し,多関節痛,炎症所見は徐々に改善したが,下痢,蛋白尿は改善しなかった.胃・直腸および腎生検を施行し,いずれの臓器にもAA型アミロイドの沈着を認め,続発性アミロイドーシスと診断した. RAに続発性アミロイドーシスが合併することはよく知られているが,本症例のごとく, RA発症後約1年8カ月という短期間でアミロイドーシスを併発した症例は,われわれの検索しえたかぎりでは他に報告例がない.一般に,アミロイドーシスを合併したRAの予後は不良のため,今後本症例を念頭におき,アミロイドーシスの早期診断に努めるとともに,アミロイドーシスを合併しやすい症例においては,より厳格なRAのコントロールが必要と思われる.
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