日本臨床免疫学会会誌
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特異的ポリクロナール抗体を用いたTIA nephelometryによる血清免疫グロブリンfree light chainの測定法-TIA nephelometryによるFLcの定量-
若杉 和倫鈴木 秀子鈴木 満
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1996 年 19 巻 1 号 p. 87-93

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抄録
遊離型免疫グロブリンL鎖free light chain (FLc)はB細胞腫瘍,腎機能障害,慢性関節リウマチ,肺結核, sarcoidosis, AL amyloidosisなどの患者の血液または尿に過剰に検出されている.これまで免疫グロブリンL鎖はアミロイド前駆物質の一つとして注目されてきたが,最近ではlight chain deposition diseaseの独立した疾患としての概念も提唱されている.適切なFLc定量法が望まれるこのような状況において,今回われわれは市販の抗ヒトFLcポリクロナール抗体を用いてTIA nephelometryによるFLc定量測定を検討した.希釈直線性,同時および日差再現性,添加回収試験でほぼ満足すべき結果を得,さらに健康成人60名の血清FLc濃度を測定してFLc κ: 0.71mg/dl, FLc λ: 0.50mg/dl(平均値)を得た.この測定法はFLcの血中動態を追跡するのに有用である.
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