日本臨床免疫学会会誌
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抗2本鎖DNA抗体に対する紫外線処理プレートを用いた酵素免疫測定法の再評価
鏑木 淳一小笠原 孝早川 正勝桑名 正隆東條 毅池田 康夫
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1996 年 19 巻 2 号 p. 163-167

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抄録

ヒト血清中抗2本鎖(ds) DNA抗体を測定するために,紫外線処理ポリスチレンマイクロタイタープレートを用いた酵素免疫測定法(ELISA: 以下, UV-ELISA法)の有用性を再評価することを目的とした. SLE 38例を対象とし,その血清を試料とした.抗dsDNA抗体測定法の対照として,ポリ-L-リジン(Poly-L-lysine)でdsDNAを固相化するELISA (以下, PLL-ELISA法)を行った. Background比は, (DNA非固相化ウエルの吸光度)⁄(DNA固相化ウエルの吸光度)×100(%)で求めた. UV-ELISA法によるIgG抗dsDNA抗体価は, PLL-ELISA法における成績と同様に,非活動期SLE 12例に比べ,活動期SLE 26例において有意に(P<0.01)高かった.しかし, Background比は, UV-ELISA法において1.0±0.9%にすぎなかった.これはPLL-ELISA法における16.8±10.8%に比べ有意に(P<0.01)低かった.以上の成績から,抗DNA抗体測定のためのELISAとして, UV-ELISA法は,既報のモノクローナル抗一本鎖(ss) DNA抗体の測定のみならず,ヒト血清中抗dsDNA抗体の測定にも有用であることが考えられた.

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