日本臨床免疫学会会誌
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19 巻, 2 号
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  • 中原 一彦
    1996 年19 巻2 号 p. 119-127
    発行日: 1996/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • 山本 聡子, 小林 茂人, 田中 光彦, 秋元 智博, 高崎 芳成
    1996 年19 巻2 号 p. 128-135
    発行日: 1996/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    特発性間質性肺炎(IIP)などの良性肺疾患で血清CA 19-9値が上昇する症例が報告されている.膠原病患者において間質性肺炎(IP)の存在と血清CA 19-9値上昇の関連性および臨床的意義について検討した.血清CA 19-9値(sCA 19-9)は通常37U/ml以下が正常値である.しかし100U/mlまでを示す良性疾患の存在が広く知られているため今回100U/ml以上を陽性とした.
    悪性腫瘍や膵胆道系疾患を伴わない膠原病患者129例のうち, 14例(10.9%)で陽性を認めた. IPを合併した42症例中12例(28.6%)でsCA 19-9値100 U/ml以上を示した.一方IP非合併の87症例では2症例(2.3%)のみ異常値を認めた. IP合併群でsCA 19-9はsCEA値と有意の相関を認め(r=0.72, p<0.001), %DLCOとは負の相関を示した(r=-0.43, p<0.05).またsCA 19-9値はIPの増悪時に上昇し,ステロイド剤などの治療によって低下した.これらより血清CA 19-9値は膠原病に合併した間質性肺炎の進展の指標となる可能性が考えられた.
  • 広畑 俊成, 小沼 絹子, 井上 哲文, 伊藤 幸治
    1996 年19 巻2 号 p. 136-144
    発行日: 1996/04/30
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    新しく合成された非ステロイド系消炎鎮痛剤であるインドメタシンファルネシル(インフリー)は,未変化体として吸収され,炎症局所で活性体のインドメタシンに変換されると考えられている,しかしながら,その変換の機序の詳細はいまだ明らかではない.今回われわれは,インフリーのインドメタシンへの変換における末梢血単核球の役割について検討を行った.インフリーを,健常人あるいは慢性関節リウマチ(RA)患者末梢血単核球あるいは多核白血球とともに培養すると上清中の未変化体の濃度は減少したが,インドメタシンの増加はみられなかった.逆に,こうして培養した末梢血単核球の細胞質内にインフリーの増加がみられた.一方,インフリーをGM-CSFの存在下にRA患者末梢血単核球とともに培養すると,上清中のインドメタシン濃度が有意に増加した.以上の結果より,インフリーの炎症局所における活性体のインドメタシンへの変換においては,単核球およびGM-CSFなどの炎症性サイトカインが関与することが示唆された.
  • 久武 純一, 小池 道明, 松田 功, 石山 泰二郎, 日野 研一郎, 友安 茂, 太田 秀一, 鶴岡 延熹
    1996 年19 巻2 号 p. 145-149
    発行日: 1996/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は77歳女性.平成6年2月より外鼻腫脹,鼻閉が出現, 3月に当院耳鼻咽喉科を受診した.左鼻咽頭腔に腫瘤が認められ腫瘤切除術が施行された. non-Hodgkin's lymphoma (LSG: difffuse, medium sized)と診断され,当科に転科した. CHOP 2コース,局所の放射線照射を行い,残存腫瘤の縮小傾向が認められた. 7月より著明な心嚢液貯留が認められ,心嚢液中に顆粒リンパ球様の腫瘍細胞が認められた.細胞表面マーカーはCD 2, CD 7, CD 56, HLA-DR陽性でCD 3陰性, NK活性高値で, TCR遺伝子再構成は認められなかった. ProMACEおよび抗癌剤の心嚢内注入を施行したが効果なく心不全が進行し死亡した.心嚢液中のリンパ腫細胞でEBVのterminal repeatを用いたサザンブロット法により腫瘍細胞の単クローン性が確認され,本例の腫瘍化にEBVの関与が考えられた.
  • 田中 洋輔, 林田 一洋, 池松 渉, 梅野 守男, 石橋 大海, 仁保 善之
    1996 年19 巻2 号 p. 150-156
    発行日: 1996/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は61歳女性. C型慢性肝炎に対し1993年4月27日よりIFNα-2 b 1,000万単位14日間連日投与後週3日の隔日投与のスケジュールで治療が行われた.開始4週後の5月24日に口腔内出血が出現.血小板数が1.8万/μlと低下を認めメチルプレドニゾロン250mgの投与と血小板20単位の輸注を計3回行ったが, 5月28日と6月3日には血小板数が0.4万/μlまで低下した. 6月4日の当科入院時, PA-IgGが808.3ng/107 PACと著明に上昇し骨髄穿刺所見で巨核球産生の低下を認めた.しかし血小板数はすでに3.7万/μlに回復し始め,以後は無治療のままでもPA-IgGの低下に伴い血小板数も正常化した.
    本症例ではIFN投与前の免疫学的異常としてIgG高値,抗核抗体陽性,抗平滑筋抗体陽性を認めたが特に自己免疫性疾患を示す症状は認めなかった.またインターフェロン投与により肝機能検査の正常化やIgG値の低下および抗核抗体の陰性化を認め免疫学的異常は軽減した.しかし抗血小板抗体が陽性化し,治療中止後減少していたことが確認された.本症例はインターフェロン投与により抗血小板抗体のみが特異的に誘導されPA-IgGが異常高値となったことに加え,骨髄の産生レベルの低下も引き起こした可能性が考えられた.
  • 曽我 隆義, 萩原 恵里, 白井 輝, 五十嵐 俊久, 石ヶ坪 良明, 大久保 隆男
    1996 年19 巻2 号 p. 157-162
    発行日: 1996/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    シクロスポリン(CyA)が奏効したと思われる多発性筋炎(PM)に伴う間質性肺炎(IP)の1例を経験した.症例は49歳,女性.発熱,筋力低下, IPによる呼吸困難を認めた.プレドニゾロン(PSL) 60mg/日投与を開始したが,筋原性酵素およびIPの改善が認められないためメチルプレドニゾロン(MPSL) 1,000mg/日(3日間)のパルス療法を施行,さらにシクロフォスファミド(CPA) 100mg/日を併用した.その結果一時,筋原性酵素, IPは軽快傾向を示したが, IPが再燃したため, MPSLパルス療法,アザチオプリン(AZA) 100mg/日の併用, PSLからベタメタゾンへの変更,計4回のCPA 500mgのパルス療法を施行した.しかしIPの改善が認められないため, CyAを開始したところ徐々にIPは軽快し,再燃は認められなくなった. PM,皮膚筋炎(DM)に合併したIPは,治療抵抗性のことが多く,本例のようにCyAが有効であったとする報告はいまだ少なく,今後PM/DMに合併したIPの治療に関して,その投与法を含めてこのような症例の蓄積が必要であると考えられた.
  • 鏑木 淳一, 小笠原 孝, 早川 正勝, 桑名 正隆, 東條 毅, 池田 康夫
    1996 年19 巻2 号 p. 163-167
    発行日: 1996/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    ヒト血清中抗2本鎖(ds) DNA抗体を測定するために,紫外線処理ポリスチレンマイクロタイタープレートを用いた酵素免疫測定法(ELISA: 以下, UV-ELISA法)の有用性を再評価することを目的とした. SLE 38例を対象とし,その血清を試料とした.抗dsDNA抗体測定法の対照として,ポリ-L-リジン(Poly-L-lysine)でdsDNAを固相化するELISA (以下, PLL-ELISA法)を行った. Background比は, (DNA非固相化ウエルの吸光度)⁄(DNA固相化ウエルの吸光度)×100(%)で求めた. UV-ELISA法によるIgG抗dsDNA抗体価は, PLL-ELISA法における成績と同様に,非活動期SLE 12例に比べ,活動期SLE 26例において有意に(P<0.01)高かった.しかし, Background比は, UV-ELISA法において1.0±0.9%にすぎなかった.これはPLL-ELISA法における16.8±10.8%に比べ有意に(P<0.01)低かった.以上の成績から,抗DNA抗体測定のためのELISAとして, UV-ELISA法は,既報のモノクローナル抗一本鎖(ss) DNA抗体の測定のみならず,ヒト血清中抗dsDNA抗体の測定にも有用であることが考えられた.
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