日本臨床免疫学会会誌
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Sjögren症候群患者におけるリウマトイド因子イディオタイプの研究
陳 〓菅井 進中崎 聡小川 淑美竹下 昌一
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1996 年 19 巻 5 号 p. 468-476

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抄録
Sjögren症候群(SS)患者より得られた2種の単クローン性リウマトイド因子(RF) (IgA-L, IgM-K)に対する抗イディオタイプ(ld)抗体(SF 18/2, AMB 1/5)を作成し, SS患者101名, SSを合併していない慢性関節リウマチ(RA)患者71名,正常人93名についてIdの発現を検討した.結果は(1) ELISAにより血中IdはSS患者ではSF 18/2が17.8%, AMB 1/5は15.8%であったが, RAでもそれぞれ15.5%, 21.7%に陽性であり,正常人でもそれぞれ6.5%, 5.7%が陽性であった, (2) SF 18/2IdはSS患者に弱陽性を示すグループ(45%)が認められその発現が多いのに比べ, AMB 1/5Idでは弱陽性群はなかった, (3)末梢血でSF 18/2Id陽性リンパ球(9.1-37.7%)を有する症例がSS 15例中4例に認められた.
以上より,SS患者においてSF 18/2Idの発現が多く,このクローンの活性化と単クローン病変との関連が考えられた.
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