日本臨床免疫学会会誌
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皮下および腸間膜に急性脂肪織炎を伴ったシェーグレン症候群の1例
杉原 毅彦小池 竜司野坂 ゆりか小川 純萩山 裕之長坂 憲治野々村 美紀西尾 純子南木 敏宏上阪 等窪田 哲朗宮坂 信之
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2002 年 25 巻 3 号 p. 277-284

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抄録

我々は,基礎疾患にシェーグレン症候群(SS)を有し, 1年間に及んで皮下脂肪織炎と腸間膜脂肪織炎を繰り返した27歳女性の1例を経験したので報告する.腸間膜脂肪織炎などの内臓脂肪織炎を合併した全身性脂肪織炎は主に特発性のWeber-Christian病として報告されていることが多く,時に治療抵抗性であったり,組織球性細胞食食性脂肪織炎に進展し予後不良となることがある.本例は当初,回盲部膿瘍を合併した急性虫垂炎として手術を受けたのち, SSおよび結節性紅斑と診断されていたが,その後,皮下脂肪織炎と腸間膜脂肪織炎と診断され,プレドニゾロン20mg/dayの投与により病状は劇的に改善した.全身性脂肪織炎はSSの稀な合併症ではあるが,適切な診断により良好な予後が得られることから,日常診療上,念頭に置くべき合併症と考えられる.

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