日本臨床免疫学会会誌
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特発性門脈圧亢進症の既往のある高齢発症1型糖尿病
日吉 徹久野 伸夫赤須 文人吉次 通泰武村 民子榎本 英壽
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2003 年 26 巻 1 号 p. 21-27

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抄録
71歳,女性. 51歳時に特発性門脈圧亢進症(IPH)の診断にて摘脾術を受けた. 1995年12月に口渇,多尿が出現. 1996年4月随時血糖535mg/dl, HbA1C 14.9%となったため精査入院となる. GAD抗体256unit/mlと上昇. ICA陽性.甲状腺機能は正常であったが,抗TPO抗体は陽性であった. HLA TypingはA 24, B 13, B 46, CW 1, CW 3, DRB 1*〔0901/0901〕, DQB 1*〔0303/0303〕, DPB 1*〔0201/0201〕であり, 1型糖尿病の疾患感受性個体と考えられた.受診時は門脈圧亢進の所見を認めなかった.
IPHと1型糖尿病の発症時期に大きな隔たりがあるが,自己免疫疾患の合併を考える上で貴重な症例と考え,報告した.
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