日本臨床免疫学会会誌
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Microslide Leukocyte Adherence Inhibition Assayの評価
田中 文隆沢田 勤也
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1981 年 4 巻 1 号 p. 49-55

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抄録
新たにMicroslide Leukocyte Adherence Inhibition (LAI)テストを開発し,その評価を試みたところ,きわめて高い再現性が得られた.本法において肺癌症例は21例中11例(52%)が肺癌関連抗原に対して陽性に反応したが,他疾患患者および正常人では22例中1例に陽性所見を認めたにすぎず,高い肺癌特異性が得られた.しかし,肺癌の中でそれぞれの組織型の間には特異性は認められず,肺癌関連抗原は肺癌の組織型とは無関係に肺癌組織に共通に存在することが示唆された.
Puified Protein Derivative (PPD)を抗原として,正常人の単核細胞でmicroslide LAIテストを試みたところ,その結果はPPD皮内反応の結果とほぼ一致し, 8例中7例が両者で陽性所見を示した.この事実はLAI反応におけるTリンパ球の関与を暗示している.
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