日本臨床免疫学会会誌
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全身性エリテマトーデス患者におけるHLA抗原の検討
小花 光夫美田 誠二河野 通律松岡 康夫入交 昭一郎藤森 一平福田 純也高田 肇此枝 義記関口 進
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1981 年 4 巻 2 号 p. 68-75

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抄録

目 的: SLE患者のHLA抗原に関する報告はすでにかなりみられるが, DR抗原に関する報告は数少なく,本邦ではいまだみられない.今回われわれはSLE患者におけるHLA抗原をDR Iocusを含めて検索した.
対象ならびに方法:対象はSLE患者34名で,健康日本人51名をコントロールとした. HLA抗原の検索はTerasakiのlymphocyte microcytotoxicity testによった.
成 績: 1) HLA-BW 35の抗原頻度が蛋白尿陽性SLE患者(14例)では50.0%で,コントロール(11.8%)に比べ増加傾向を示した. HLA-BW 55は蛋白尿陰性SLE患者(20例)では35.0%で,コントロール(5.9%)に比べ増加傾向を示した.
2) HLA-DRW 9の抗原頻度がSLE患者では52.9%を示し,コントロール(19.6%)に比べ有意の増加を示した.
3)抗RNP抗体陽性のSLE患者10例ではMT 3が全例検出された.
4) SLE患者ではHLA-BW 61-DRW 9のHaplotypeに連鎖不平衡が認められた.

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