日本臨床免疫学会会誌
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急性白血病患児の寛解維持療法中ならびに治療中止後における末梢血リンパ球のin vitro免疫グロブリン産生能
ELISA法とパソコンを用いた自動解析定量による検討
柳沢 光彦宮川 幸昭小宮山 淳赤羽 太郎
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1984 年 7 巻 1 号 p. 18-27

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抄録

小児急性白血病の寛解維持療法例および治療中止例(計41名)につき, ELISA法を用いて,末梢血リンパ球(PBL)のin vitro免疫グロブリン(lg)産生能, PWMおよびSpA Co I刺激に対する反応性を検索した.白血病患児では, mitogen無添加時のIgA, IgM産生量は,寛解維持療法例のみならず治療中止例でも低値を示したが, IgG産生量は対照小児との間に有意差が認められなかった. PWM刺激に対する反応性は,各クラスIgとも,寛解維持療法例で低く,治療中止例では回復傾向にあった. SpA Co I刺激に対する反応性も, IgM産生に関して同様の傾向が認められた. ELISA法で培養上清中の微量なIgを測定するにあたり,パーソナルコンピューターを使用して標準曲線を作成し,吸光度より検体中のIg量を自動算出することにより,多数の検体の迅速かつ正確な測定が可能であった.

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