日本臨床免疫学会会誌
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7 巻, 1 号
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  • 免疫複合体,補体,リウマトイド因子の関係
    広瀬 俊一
    1984 年 7 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 辻 孝夫
    1984 年 7 巻 1 号 p. 8-17
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    慢性活動性肝疾患にみられる2種類の抗肝細胞膜抗体(anti-LMとanti-LSP)の特異性と臨床的意義について検討した.螢光抗体法ではanti-LMはHBs抗原陰性,とくにHBs抗体陽性の慢性活動性肝疾患に高率に検出された. ELISA法では,ルポイド肝炎が最も高値で,次いでHBs抗原陰性の慢性肝炎活動性(CAH 2B)で高値であった.また, anti-LM価はS-GPTの急性増悪の1~2ヵ月前と直後で高値であった.特異性については, anti-LMに対応するLMAgには,臓器特異性かつ種非特異性のアセトン不溶性肝細胞膜抗原が存在したがLSPにはアセトンで固定できる臓器特異性肝細胞膜抗原は存在しなかった.
  • ELISA法とパソコンを用いた自動解析定量による検討
    柳沢 光彦, 宮川 幸昭, 小宮山 淳, 赤羽 太郎
    1984 年 7 巻 1 号 p. 18-27
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    小児急性白血病の寛解維持療法例および治療中止例(計41名)につき, ELISA法を用いて,末梢血リンパ球(PBL)のin vitro免疫グロブリン(lg)産生能, PWMおよびSpA Co I刺激に対する反応性を検索した.白血病患児では, mitogen無添加時のIgA, IgM産生量は,寛解維持療法例のみならず治療中止例でも低値を示したが, IgG産生量は対照小児との間に有意差が認められなかった. PWM刺激に対する反応性は,各クラスIgとも,寛解維持療法例で低く,治療中止例では回復傾向にあった. SpA Co I刺激に対する反応性も, IgM産生に関して同様の傾向が認められた. ELISA法で培養上清中の微量なIgを測定するにあたり,パーソナルコンピューターを使用して標準曲線を作成し,吸光度より検体中のIg量を自動算出することにより,多数の検体の迅速かつ正確な測定が可能であった.
  • 平川 秀三, 三浦 洋, 清水 泉, 砂田 光唆, 都嵜 和美, 鈴木 信也, 太田 善介
    1984 年 7 巻 1 号 p. 28-39
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    自己免疫性甲状腺疾患患者血中の甲状腺膜抗原抗体系について補体結合反応,二重免疫拡散法,螢光抗体法, 86Rbを使用したcytotoxic test, 51Cr標識にょるAntibody-dependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC) assayにより検討した.
    補体結合反応による検討ではマイクロゾーム分画,細胞膜分画をもちいたものでは補体結合性は強く両者は正の相関をしていた.
    二重免疫拡散法ではTriton X-100による可溶化膜抗原の使用により抗甲状腺抗体の検出は可能であり,橋本病とグレーブス病患者血清の抗マイクロゾーム抗体の沈降線は完全に一致していた.また細胞膜抗原抗体系の沈降線はマイクロゾーム抗マイクロゾーム抗体系の沈降線に完全に一致していた.甲状腺マイクロゾーム免疫ラット血清と可溶化甲状腺マイクロゾーム分画との間には自己免疫性甲状腺疾患患者血清中に認められるマイクロゾーム抗マイクロゾーム抗体系に完全に一致する沈降線が認められた.
    螢光抗体法による検討では甲状腺細胞質内および細胞表面はmicrosome hemagglutination (MCHA)高値の橋本病及びグレーブス病患者血清で同様に染色され, FITC標識患者血清を用いた抑制試験で非標識患者血清前処理にて細胞質内及び細胞表面染色は著明に抑制された.しかし甲状腺マイクロゾーム分画免疫ラット血清前処理では細胞表面染色は抑制されたが細胞質内染色は抑制が明らかでなかった.培養遊離甲状腺細胞使用による患者血清より分離した抗細胞膜抗体にても細胞質内が一様に染色され,螢光抗体抑制試験では甲状腺マイクロゾーム分画免疫ラット血清前処理にても細胞質内染色の抑制は明らかでなかった. 86Rb使用によるcytotoxic testではcytotoxicityは橋本病,グレーブス病ともに認められ,その活性はMCHAと正の相関があった. ADCC活性も橋本病,グレーブス病共に認められ,その活性はMCHAと正の相関があった.
    以上より抗マイクロゾーム抗体と抗細胞膜抗体は同一であり,橋本病とグレーブス病の抗マイクロゾーム抗体は同一であると考えられた.
  • 広岡 良文, 宮田 晴夫, 福間 尚文, 船内 正憲, 木佐森 茂樹, 伊藤 光泰, 仁瓶 禮之, 小出 幸夫, 吉田 孝人
    1984 年 7 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    分娩後の全身性エリテマトーデス(SLE)の急性増悪に血漿交換療法が著効を示した症例を報告する. 31歳の主婦で, ARAの1982年改訂版SLE診断基準のうち,顔面蝶形紅斑,日光過敏症,口腔潰瘍,関節炎,白血球減少症,リンパ球減少症, LE細胞陽性,抗DNA抗体陽性,抗核抗体陽性を示したSLEの患者で,第4子正常分娩後7週目に急性増悪を呈した.プレドニゾロンを1日90mgまで増量投与をつづけたが,臨床症状検査成績の改善を認めず,かつステロイドによる重篤な副作用も出現したため, IBM 2997 Cell Separatorを用いて,血漿交換療法を連続4日間施行した.これにより臨床症状所見および検査成績の著明な改善を認め,ステロイドの減量も円滑に行い得た.本症例は, SLE治療としての血漿交換療法を考えるうえで,非常に示唆に富む例と考えられたので報告する.
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