日本臨床免疫学会会誌
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自己免疫疾患におけるT細胞機能concanavalin A誘導抑制T細胞機能とautologous mixed lymphocyte reaction
高井 正秀土肥 和紘藤井 謙裕山田 宏治金内 雅夫花谷 正和野中 秀郎石川 兵衞
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1984 年 7 巻 2 号 p. 60-67

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抄録

自己免疫疾患における細胞性免疫異常,とくにT細胞機能異常を明らかにする目的でconcanavalin A誘導抑制T細胞機能(Con A-Ts細胞機能)とautologous mixed lymphocyte reaction (AMLR)を検討した.全身性エリテマトーデス(SLE), Sjögren症候群(SJS),進行性全身性硬化症,多発性筋炎はいずれもCon A-Ts細胞機能が健常対照と比べて有意に低下していた.しかしAMLRはSLEがTとTγ, SJSがTγに有意の低下を示した.一方,非活動期のSLEにおけるCon A-Ts細胞機能は回復する傾向にあった.非活動期のSLEにおけるAMLRはTγのみが低下を示した.さらにSLEとSJSではCon A-Ts細胞機能とTγのAMLRとの間に正相関が認められた.つまりSLEとSJSの両疾患は類似した細胞性免疫異常を示すものであり,その原因にはTγの傷害が推測される.

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