抄録
白血球減少を伴った全身性エリテマトーデス(SLE)の6症例について,患者血清IgG分画および患者末梢血単核球の正常ヒト骨髄顆粒球・マクロファージ系前駆細胞(CFU-C)由来のコロニー形成におよぼす影響を検討した.
患者IgG分画は, 6症例全例において著明にCFU-Cのコロニー形成を抑制したが,患者血清は, 6例中3例に抑制を認めた, 4例中3例においては,患者IgG分画と患者末梢血単核球がCFU-Cのコロニー形成を抑制した.
これらの結果から,患者IgG分画や患者末梢血単核球による顆粒球系造血の抑制作用が, SLEの白血球減少の機序と関与している可能性が示唆された.