日本臨床免疫学会会誌
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骨髄腫患者末梢血におけるLeu-7+細胞サブポピュレーションの解析
小阪 昌明斉藤 芳国井石 安比古岡川 和人宮 恵子星島 康男伊藤 淳子後藤 哲也斎藤 史郎
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1985 年 8 巻 3 号 p. 168-171

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抄録

Leu-7+細胞の表面形質の多様性とNK細胞活性を骨髄腫17例と正常人20例について解析した. T細胞抗原をco-expressするLeu-7+細胞はtwo-color immunonuorescenceにより, NK細胞活性は末梢リンパ球をeffector, 51Cr標識K-562をtargetとして検索した.末梢リンパ球のLeu-7+細胞は正常人の20.5±4.9% (mean±1SD)に比べ骨髄腫では31.5±10.3%と増加し, Leu-1またはLeu-2aをco-expressするLeu-7+細胞は正常人でそれぞれ7.3±4.3, 5.8±2.1%に対し,骨髄腫では14.4±6.4, 17.0±7.3%と2-3倍に増加していた.この成績は骨髄腫で報告されたOKT-8+/Leu-2a+細胞の増加もLeU-2a+Leu-7+細胞によることを示している.また末梢リンパ球のNK細胞活性は正常人53.1±15.0に対し,骨髄腫44.7±21.5%で軽度低下していたが有意差はなく,増加したT抗原をco-expressするLeu-7+細胞のNK細胞活性の低いことを示唆した.これらT抗原をco-expressするLeu-7+細胞はB細胞のIg産生を抑制することが知られており,骨髄腫におけるresidual Ig減少などの免疫不全に関連があると考えられる.

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