抄録
末梢血リンパ球を自己Epstein-Barr virus (EBV)トランスフォームlymphoblastoid cell line (LCL)と混合培養することによりautologous LCL (auto-LCL)を含あNK感受性,非感受性のtargetに対する細胞障害活性が誘導された.一方, recombinant interleukin-2 (IL-2)を用いて誘導されるLymphokine-activated killer (LAK)もNK感受性細胞, NK非感受性細胞をよく障害したが, auto-LCLには低い障害活性しか示さなかった. cold-target inhibition testを用いてspecificityを調べたところ, LAKと混合培養により誘導されたキラーとはtarget spectrumの点から非常に類似していて,後者によるものも主としてLAK活性によると考えられた. NK感受性細胞に対する障害活性はNK感受性細胞によってのみ抑制をうけ,それらにはNK, LAK両方のtarget structureが存在するが,他の細胞にはLAKのtarget structureしか存在しないか,あるいはNK感受性細胞のtarget structureに対する認識機構は他のtargetに向けられたeffector細胞にも存在することが示唆された.そのことを反映しNK非感受性細胞に対する障害活性はNK感受性細胞によっても抑制をうけた. auto-LCLに対する障害活性は混合培養反応によるものでもIL-2によるものでも,用いたすべての細胞により抑制をうけた.すなわち, CTLはあまり出現しておらず,主としてLAKないしそれ類似め細胞により障害されていると考えられた.また,今回の結果から,混合培養によるPBLからのLAK類似キラー誘導において, NK感受性細胞にはその能力が低いが, NK非感受性株化細胞,自己および同種のLCLはLAKをよく誘導することが示された.また,自己LCLはIL-2では十分誘導できないLAK様細胞を誘導することが示された.