日本臨床免疫学会会誌
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胃癌患者末梢血中のT-cell亜群
渡会 伸治西山 潔国松 尚一小林 俊介江原 博遠藤 千洋香積 京子関沢 良行山岡 博之土屋 周二
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1985 年 8 巻 6 号 p. 329-335

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抄録

胃癌患者末梢血中のT-cell亜群を測定し, 2~3の知見を得た.
(1) 術前stage別末梢血T-cell亜群(OKT3, OKT4, OKT8, OKT4/OKT8比)は,癌進行度と相関がみられなかった.
(2) 非治癒手術後例・再発例では,治癒手術後例と比べOKT4は低下し, OKT8は上昇し, OKT4/OKT8比は低下するものが多かった.
(3) OKT4/OKT8比は, IgGFcR+ T-cell, ConA/PHA比いずれとも相関はみられなかった.
(4) IgGFcR+ T-cellが高値でOKT4/OKT8比が低値を示す症例では, PHA芽球化率が低値を示した.
(5) stage IV(非治癒手術後例)では,術後除々にOKT4/OKT8比は低下した.
以上, flow-cytometryを用いてT-cell亜群を測定することは,免疫機能を示すparameterとして臨床的に有用であると考えられた.

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