日本臨床免疫学会会誌
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リウマチ性多発筋痛症の13例とくにその診断およびHLA抗原について
兼岡 秀俊山口 雅也松井 征男永吉 敏郎大田 明英
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1986 年 9 巻 1 号 p. 20-30

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抄録
従来日本人にはまれと考えられているリウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica,以下PMRと略す)13例について,臨床および検査上特徴的な所見を抽出し,これらの所見を利用して日本人により適合するような診断基準の試案を作成した.この試案の感度と特異性は,慢性関節リウマチと多発性筋炎/皮膚筋炎を対照とする限り十分に高かったが,成人発症型スティル病に対しては特異性は75%であった.
臨床経過としては,一般に副腎皮質ホルモンに対する反応は良好であり,初回量はやや多めに用いる方がCRP陰性化までの総量は少なくてすむ傾向があった.
疫学的には冬期の発症が多く,また年度別にみても発症のcluster現象の傾向がみられた.
HLAについては,とくにHLA-Cw3の増加が注目され, HLA-DR, DQ抗原との相関は見出されなかった.
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