日本臨床免疫学会会誌
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ヒト末梢血由来のB細胞コロニー形成とそれに及ぼすステロイドホルモン,マイトマイシンCの影響
石川 泰二郎阿部 総太郎杉本 正邦若林 芳久広瀬 俊一
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1986 年 9 巻 1 号 p. 37-43

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抄録
今回,われわれは,正常ヒト末梢血B細胞コロニー形成に及ぼすプレドニソロンとマイトマイシンCの影響を検討したので報告する.
方法は, Eロゼット非形成細胞・照射自己T細胞・PHA-P30μgとともに液体培養を1日施行したのち,メチルセルロース培地に植える. 50細胞以上の細胞塊をコロニーとする.
この結果,播種細胞の数とコロニー数が比例関係を示す.コロニーを第4日目にて算定すると播種細胞5.0×105個につき570±333個のコロニーを認めた.コロニー構成細胞は, FITCラベル抗ヒトimmunoglobulinウサギF (ab)2血清にて陽性に染まり,ギムザ染色にて形質細胞とリンパ球の性格をもつ.また, Eロゼット形成能はない.
つぎにB細胞コロニー形成能に及ぼすプレドニソロンとマイトマイシンCの影響を検討した.
液体培養以前に,これらの薬剤を60分間作用させるとマイトマイシンCでは,コロニー形成能に影響を認めないが,プレドニソロンでは抑制を認めた.また,これらの薬剤を, semi-solid培地に添加した場合,ともに添加量に比例して抑制を認めた.
これらの結果は,正常ヒト末梢血B細胞コロニー形成細胞は, non-cycling cellsだがプレドニソロンに感受性を有する細胞であることを示すように思う.
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