論文ID: 202317006
目的:慢性疾患看護専門看護師(以下,CNS)の活動の実態を明らかにし,今後の課題を検討する.
方法:日本看護協会のホームページにて名前と所属が公開されている慢性疾患看護CNS178名に無記名自記式質問紙調査を実施した.基本属性と活動に関する質問項目を18項目設定し記述統計量を算出した.
結果:94名から回答を得て74名を分析した.対象者のCNS経験年数は平均6.3年であった.CNSの86.5%が病院所属であり,88.0%が外来,病棟のいずれかまたはその両方で勤務し,活動日は不定期または回数不明が56.7%であった.CNS活動の割合は,〈実践〉が平均40.9%,〈相談〉13.7%,〈調整〉11.4%,〈倫理調整〉6.6%,〈教育〉17.1%,〈研究〉10.3%であった.
考察:緩解と増悪を繰り返しながら療養生活を送るという慢性疾患の特徴から慢性疾患を管理する病院の外来や病棟が多くのCNSの活動場所であった.〈実践〉の割合が多く,〈実践〉がCNSの中心的な役割であるため当然の結果といえる.一方で〈倫理調整〉が少なかったことは看護師の倫理的問題への気づきが影響しており,看護管理者との連携の有用性が示唆された.