日本慢性看護学会誌
Online ISSN : 2435-7782
Print ISSN : 1882-2061
早期公開論文
早期公開論文の4件中1~4を表示しています
  • 岩下 真由美, 高見沢 恵美子, 岡光 京子
    原稿種別: 研究報告
    論文ID: 202519004
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/07/15
    ジャーナル フリー 早期公開
    目的:青年期以降に発症した1型糖尿病をもつ人のレジリエンス尺度を開発し,信頼性・妥当性を検討することである.
    方法:青年期以降に発症した1型糖尿病をもつ人21名に半構造化面接調査を行い,作成した尺度原案をもとに,青年期以降に発症した1型糖尿病患者272 名を対象に無記名自記式質問紙調査およびWeb質問紙調査を実施し,最尤法プロマックス回転による因子分析を行った.
    結果:青年期以降に発症した1型糖尿病をもつ人のレジリエンス尺度50項目6因子を開発した.Cronbachのα係数は全体で.875であった.本尺度と成人発症2型糖尿病患者の療養に伴うレジリエンス尺度との間で有意な正の相関関係を認め,信頼性・妥当性が得られた.
    結論:本尺度は,【柔軟に捉え考える力】【自分の将来に希望を持つ力】【家族や友人からのサポートを認識できる力】【1型糖尿病を受容する力】【良好な血糖コントロールを維持しようとする力】【同病者から得られる原動力】の6因子から構成された.
  • 豊 早苗, 藤本 悠, 瀬戸 奈津子
    原稿種別: 研究報告
    論文ID: 202519003
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/04/26
    ジャーナル フリー 早期公開
    目的:循環器・呼吸器内科を受診する高齢慢性疾患患者を対象に,フレイル状態にある患者の割合や現状を明らかにする.
    方法:中規模総合病院の一施設において,連続した5日間のうち循環器・呼吸器内科を受診した65歳以上の予約患者を対象にアンケート調査を実施した.基本チェックリスト総合点でフレイル判定を行い,フレイル・プレフレイル・健常の3群に分けた.基本チェックリスト総合点と構成要素の相関の比較,フレイル群と基本属性の関連の検討を行った.
    結果:211名のフレイル評価は,フレイル判定が50.2%であった.フレイル群と関連のあった基本属性は,女性,年齢層が高い,薬の数が6種類以上,受診行動で送迎がいること,支援者に体調変化の指摘をされた経験であった.
    結論:フレイル割合は先行研究の調査よりも高く,受診行動で送迎がいること,支援者から体調の変化を指摘された経験があることは,フレイルの進行を予測する特徴として外来看護で活用できる可能性が示唆された.
  • 吉岡 真弓, 山本 かおり, 坂原 純子
    原稿種別: 資料
    論文ID: 202519002
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/04/12
    ジャーナル フリー 早期公開
    目的:訪問看護師が行うアドバンス・ケア・プランニングを地域から病院へつなぐ連携のあり様を明らかにし,ACPを連携する際の今後のあり方の示唆を得る.
    方法:訪問看護ステーションの看護師6名を対象とし,半構造化インタビュー法を実施し,質的記述的に分析した.
    結果:【訪問看護師のACPコミュニケーション技術】【ACP実践の難しさ】【ACPの知識と経験のある職種のいる窓口】【機を逃さないタイミングでの伝達】【ACPに関する情報提供内容の取捨選択】【病院への情報伝達過程での障壁】【看看連携の強化】【地域医療の信頼構築】【ICT(Information and Communication Technology)を活用した情報共有】の9カテゴリーが抽出された.
    結論:訪問看護師は,知識と経験のある職種のいる窓口に,機を逃さないタイミングで,ACPに関する情報提供内容の取捨選択を行いながら情報提供している.普段から地域での信頼関係を構築し,ICTを活用した情報共有も実施していることが見いだされた.今後は,ACP連携では何の情報が必要かを明らかにし,ツール作成や場を設け,ICTも取り入れながら情報共有することが必要であることが示唆された.
  • 武田 真弓, 籏持 知恵子
    原稿種別: 研究報告
    論文ID: 202519001
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/02/28
    ジャーナル フリー 早期公開
    本研究では,心疾患患者の仕事と療養の両立の様相を国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;以下,ICF)の要素の観点から明らかにし,心疾患患者の仕事と療養の両立に向けた看護師による支援を検討した.心不全発症後に離職,再就職し就労を継続している患者1名に半構成的面接を実施し,逐語録から,仕事と療養の両立の状況とその影響要因をICFに沿って再構成し分析した.その結果,仕事と就労の様相は,離職時,離職から就労再開時,就労再開直後,就労継続時の4つの時期に特徴づけられた.心疾患患者の療養と仕事の両立において,心臓リハビリテーションは,体力維持増進のために患者の〈心身機能・身体構造〉に働きかける教育・相談の場と他者とつながるコミュニティ〈参加〉の場としての役割を果たしていた.心疾患患者の仕事と療養の両立のための看護師による支援として,時期に応じて対象者の就労を含めた生活状況を捉え,多職種と連携して支援することと,その支援に活用できる仕事と療養の両立のためのセルフマネジメント行動の評価指標の開発の必要性が示唆された.
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