インテリジェンス・マネジメント
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論文
オープン・イノベーション時代におけるCTI
―半導体先端技術産業を中心に―
高橋 文行菅澤 喜男
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2009 年 1 巻 1 号 p. 47-54

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抄録
企業が国際競争力を維持していくためには,持続的なイノベーションが不可欠である。企業はグローバル競争が激化する中で,研究開発のあり方も大きく変化してきた。過去に定型とされた研究開発のリニアモデルの「中央研究所時代の終焉」とオープン・イノベーションの新しい時代の研究開発マネジメント方法論が議論されている。グローバル競争の激化と製品・技術のライフサイクルの短縮化により,研究開発に投じる資金・人材・技術などの経営資源が,全てを一企業で賄うことが困難な状況になった。企業は産学連携、外部機関の活用などオープン・イノベーションの重要性は認識されつつある。その場合,競合または潜在的競合と連携する場合もあり,ライバル企業と自社の技術力を比較し,競合する企業の技術情報に関る収集・分析・評価する一連の分析プロセスと理論を体系化したコンペティティブ・テクニカル・インテリジェンス(Competitive Technical Intelligence, CTIと略す)手法の活用が重要である。本論文では,オープン・イノベーションを中心とした新たな研究・開発のあり方とその傾向に注目し,半導体先端技術産業の研究開発企業に焦点を当って,戦略的技術提携の構築と外部技術の活用において,CTIの意義と重要性を明らかにすると共に,CTIはどのように活用するかについて考察を行う。最後に企業の技術戦略構築に必要な競争優位性の確保について議論するものである。
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© 2009 特定非営利活動法人 日本コンペティティブ・インテリジェンス学会
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