主催: 京都大学大学院医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
【目的】多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM),強皮症(SSc)患者血清におけるサイトケラチン(CK-8,CK-19)に対する自己抗体と間質性肺炎(IP)との関連性の追求【対象】PM/DM 38例{IP(+)26例;IP(-)12例},SSc78例{IP(+)38例;IP(-)40例},健常人16例【方法】1)CK-8,CK-19に対する自己抗体はリコンビナントCK-8,CK-19蛋白を抗原とした免疫ブロット法により検索.2)抗CK-8,抗CK-19抗体の細胞内局在はA549(肺癌由来II型上皮)細胞を基質とした間接蛍光抗体により検討.3)対象患者をIPの有無で層別化して解析.【結果】1)PM/DMでは抗CK-8抗体陽性率:IP(+)23%,IP(-)0%,抗CK-19抗体陽性率:IP(+)73%.IP(-)8%であった.2)SScでは抗CK-8抗体陽性率:IP(+)0%,IP(-)0%,抗CK-19抗体陽性率IP(+)26%,IP(-)49%であった.3)抗CK-8,抗CK-19抗体ともにA549細胞の細胞質をびまん性に染色していた.【結語】PM/DMでは抗CK-8,抗CK-19抗体ともにIPとの関連が示唆された.一方,SScでは抗CK-8,抗CK-19抗体ともにIPとの関連性が明らかでなく,PM/DMとSScにおけるIPの病態が異なることが推測された.