主催: 聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
Wegener肉芽腫症における眼窩内腫瘤は失明や脳神経症状など重篤な合併症を呈する可能性があるだけでなく、従来おこなわれてきた免疫抑制剤を用いた治療に抵抗性を示す難治性の病態として知られている。今回われわれは、Cycrophosphamide間歇静注療法に抵抗性を示した眼窩内腫瘤を持つWegener肉芽腫症に対して、Rituximabを使用し、改善を認めた3例を経験したので文献的考察を含めて報告する。一例は21歳女性。平成17年1月発症。EL型。一例は50歳女性。平成2年発症。EL型。一例は62歳男性。平成5年発症。E型。いずれの3例もCycrophosphamide間歇静注療法をおこなったが悪化傾向を認める眼窩内腫瘤を呈していた。Rituximabを使用したところ、眼痛、視力障害、眼球運動の速やかな改善を認め、眼窩内腫瘤の縮小を認めた。感染症などの合併症は認めていない。また、眼窩内腫瘤以外の病態についても改善を認めている。