日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 16-5
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一般演題
リツキシマブによる薬剤性間質性肺炎を合併した全身性エリテマトーデスの一例
*岸 潤南木 敏宏高村 聡人渡部 香織駒野 有希子宮坂 信之
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抄録

症例は27歳の女性。発熱・倦怠感の主訴のもとに当科入院したが、意識障害、蝶形紅斑、口腔内無痛性潰瘍を認め、汎血球減少、抗核抗体陽性、抗ds-DNA抗体陽性から全身性エリテマトーデス及び中枢神経ループス、骨髄穿刺より血球貪食症候群の合併と診断された。入院第3病日、第9病日および第21病日よりそれぞれメチルプレドニゾロン1g/日×3日間のパルス療法が計3回施行され、その間はプレドニゾロン1mg/kgの経口投与が行われた。しかし発熱および血小板3万/μl程度の血小板減少が持続したため、第27病日に免疫グロブリン大量静注療法を行った。第29病日には血小板数2.3万/μlと更に減少し、効果不十分と考え第30病日にリツキシマブ1000mgの投与が行われた。しかし、第34病日より乾性咳嗽が出現し、胸部レ線では両肺野に両下肺野優位のスリガラス影を認めた。BALFでは総細胞数が11.15×105/mlと著増、リンパ球優位であり、臨床経過とあわせてリツキシマブによる薬剤性間質性肺炎を疑った。以後、経過観察したところ、咳嗽は徐々に自然軽快し、第42病日の胸部レ線ではスリガラス影も改善を認めた。リツキシマブによる間質性肺炎は、悪性リンパ腫において複数の報告がなされているが、膠原病領域では乏しく、貴重な症例と考え報告する。

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© 2006 日本臨床免疫学会
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