日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: S4-1
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シンポジウム4
TNF阻害薬の新展開
*竹内 勤
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抄録

炎症性サイトカインの一つ、腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor: TNF)を標的とする生物学的製剤は、優れた臨床的有効性ならびに関節破壊抑制効果から、高い評価を得ている。その導入によって、最近の治療目標は、従来では考えられなかった臨床的寛解、画像的寛解を目指すものとなっている。  現在、世界的にRAの適応を有するTNF阻害製剤は、キメラ型抗TNFR体インフリキシマブ, TNFR2 (p75)-IgFcエタネルセプト, 完全ヒト抗TNFR体アダリムマブの3剤である。日本では、インフリキシマブが03年7月, エタネルセプトが05年3月に承認され、05年7月には、インフリキシマブの市販後全例調査が終了し、その全容が明らかにされた。使用経験が豊富になると共に、注射時反応を初めとする副作用全体の頻度は明らかに減少した。一方、肺炎や日和見感染などの重篤副作用については、その患者背景が示され、リスク評価、対処法を考える上で貴重なデータとなった。これらの成績を踏まえ、TNF阻害製剤を、同のような症例に、いつから投与すれば良いか、いつまで投与すれば良いかが話題となっている。有効性の予測や、寛解導入率の向上に向けた取り組み、治療の最適化モデルの構築、など最近の展開について報告する。

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© 2006 日本臨床免疫学会
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