主催: 聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
著者は2002年以来、「乳幼児疾患の川崎病やアレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症)、喘息、アトピー性皮膚炎等アレルギー疾患患者の皮膚状態はおとなしく、ほくろの殆どない人・ほくろ生成系の弱い人が大多数である」という現象、更にはパーキンソン病患者や難聴者も同様の皮膚状態であることを報告した。そして疾患の発症や進展を遅らすための、メラノサイトの生成系・活動系、メラニン合成・代謝系の活性化という日常的な健康法と、メラノサイト免疫学への注力を提案してきた。また著者らは2003年以来、日本固有に共に1960年代初期に発見された川崎病とスギ花粉症等アレルギー疾患をPIDと名づけ、川崎病発症の疫学的解析を報告してきた。即ち自治医大より若干恵与された神奈川県の91年-2002年のみの川崎病患者5900人以上の発症日月別dataと、国立相模原病院の毎日の全花粉飛散数観測dataの比較検討で、年間3回の発症の波・peak(や高原状態)が、花粉飛散peak以後一定の間隔を置いて生じることが示された。中でも12月、1月が川崎病の多発症月であるが、花粉飛散が大幅に増える3-4月まで患者数peakが持続せずに、一過的に減少するpatternが毎年見られた。このアレルギー疾患川崎病発症抑制現象の解析のため、感染症週報インフルエンザ罹患患者数と比較検討したところ、この減少に転じる週間がインフルエンザ流行の最盛期と一致することが垣間見られた。この傾向は、東京都等でも顕著であった。