主催: 聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
<目的>SLEの末梢血リンパ球のCD62L及びケモカインレセプターの発現を解析して、T-B細胞を細分類し体内の動態について予測する事を試みた。<方法>ACRの診断基準を満たすSLE患者10例と健常人10例を対象とした。末梢血リンパ球を全血で染色した後、フローサイトメーターを用い、T細胞・B細胞それぞれのpopulationについて発現の割合を解析した。T細胞についてはCD4陽性T細胞に絞り、3重染色で解析を行った。さらに、活性化T細胞内でのpopulationを調べるためにビーズとMACSを使ってCD4T細胞を分離し、その上でHLA-DRを用いた3重染色で解析を行った。<結果>SLEではNaïve T細胞(Tn)が減少し、Effector T細胞(Te)が増加していた。B細胞上においてはCXCR3がCXCR4より高発現していた。活性化リンパ球においては、DAIが高くHLA-DRが高い症例でeffector memory・follicular helper T細胞が多い傾向を認めた。<考察>SLEではリンパ組織でNaïve T細胞が活発にmemory T細胞に分化し、炎症局所に移行し、リンパ組織から出たB細胞も炎症局所へ移行する可能性が示唆された。