日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 14-5
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一般演題
中枢神経病変を伴った難治性SLEに対する抗CD20抗体療法の効果
*徳永 美貴子齋藤 和義川端 大介井村 嘉孝藤井 隆夫中山田 真吾辻村 静代名和田 雅夫岩田 慈吾妻 妙子三森 経世田中 良哉
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キーワード: NPSLE, rituximab, CD40, CD80, CD40L
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抄録

SLEにおける中枢神経病変(精神神経SLE, NPSLE)は多様な臨床症状や重症度を呈し、重要な予後因子となりうる病態に関わらず、未だ標準的治療が確立されていない。我々はこれまでに既存の免疫抑制療法に抵抗性を示したNPSLE10例(ACRの分類上、Neuropsychiatoric syndrome 5例、Neulogenic syndrome 2例、両者の合併3例)に対し抗CD20抗体(rituximab)を投与し、臨床経過と末梢血リンパ球上の機能分子発現を検討した。5例で意識障害が急速に改善し、特に2例で数日内の著明な改善を経験した。また失見当識、痙攣発作、頭痛、感覚障害、精神病様症状の消失・改善を認め、全ての症例で投与後28日目におけるSLEDAIは改善した。寛解維持期間は4_-_30ヶ月に渡り、4例で現在まで寛解を維持しているが、うち3例で中枢神経症状の再燃、他3例でSLEの再燃を認めている。また、治療後28日目の評価でCD19+B細胞上のCD40及びCD80に加えてCD4+T細胞上のCD40L、CD69、ICOSも発現が減弱しており、B細胞の量的且つ質的減衰がB細胞_-_T細胞間相互作用の制御につながり、自己免疫異常に起因する中枢神経症状をはじめとした難治性病態に対し著明な改善をもたらすことが考えられた。

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© 2006 日本臨床免疫学会
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