主催: 大阪大学保健センター、大学院医学系研究科身体防御健康医学
1960年代初期に日本においてほぼ同時期に発見されたスギ花粉症と川崎病とは、実は同じtriggerである花粉に対する、病態の違う疾患PID群であることが多くの状況証拠から理解されるようになった。(1)82年、95年等過去最大のスギやヒノキの花粉飛散の年および翌年等後年に、川崎病発症数は激増し、2000年以降全国合計だけでなく東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、福岡県等で右肩上がりが顕著である。(2)夏冬ウイルス感染症の様に患者発生報告の無い月は無く、発生最少月でも全国で500人程おり通年発生であるが、91~02年の自治医大ご恵与の神奈川県患者dataの発症patternと、国立相模原病院ご恵与の花粉飛散dataのpatternとの月別、週別比較により、花粉飛散に連動した年間3つの川崎病発症peak高原状態が存在することが明らかになった。(3)先駆け花粉飛散に鋭敏な花粉症患者同様に、川崎病患者は先駆け花粉飛散に反応して、12月、1月に発症数が多いことが理解された。(4)川崎病患者は「他アレルギー疾患患者、パーキンソン病患者、中途失聴・難聴者と共通の、皮膚状態がおとなしく、ほくろの殆どない人ほくろ生成系の弱い人が大多数である」という知見が当てはまり乳幼児期そして長じて花粉症等アレルギー疾患罹患率が高い。(5)インフルエンザあるいはヘルパンギーナ流行で川崎病発症数の一旦減少フェーズがある。