日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 110
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一般演題
抗TNFα抗体投与後 インスリン抵抗性の改善を認めたRAの1例
前田 和久*緒方 篤園田 美奈寺部 文隆沖田 考平岩橋 博美船橋 徹下村 伊一郎
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抄録

症例61歳男性。2000年(54歳)頃から左膝が徐々に腫脹し、2002年左股関節、左膝関節内視鏡下滑切除施行、リウマチ性関節炎と診断。10月からプレドニン10mg/day開始されたが、2003年夏ごろから口渇認め、その際尿糖(4+)、HbAlc11.4%、昼食前血糖326mg/dlを指摘。ステロイド誘発性の糖尿病と診断され、速攻型インスリン(8,8,7)と糖尿病食(1600kcal)にて血糖コントロールが安定し外来通院中であった。2005年免疫内科外来にて抗TNFα抗体投与を受けたころより、急激なインスリン抵抗性の改善を認められ、最終的にはインスリン使用が必要でなくなった。また本症例では抗TNFα療法直後より、血清アディポネクチンの著明な上昇が認められた。 肥満に伴うインスリン抵抗性の主因としてTNFα分泌増加が原因となることがマウス等の実験で明らかである。またTNFαに対してアディポネクチンは拮抗的に作用していると考えられ本症例のインスリン抵抗性改善にも寄与していると考えられる。現在までの我々の研究データと合わせて本症例について考察したいと考える。

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© 2007 日本臨床免疫学会
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