日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 52
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一般演題
シェーグレン症候群における抗CCP抗体測定の意義
*岩本 直樹川上 純川尻 真也藤川 敬太荒牧 俊幸一瀬 邦弘玉井 慎美蒲池 誠中村 英樹井田 弘明折口 智樹江口 勝美
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抄録

【目的】シェーグレン症候群(SS)では腺外症状として関節症状を認めることが多いうえにIgM-RFも陽性率が高く、関節リウマチ(RA)との鑑別がしばしば問題となる。両者の鑑別における抗CCP抗体測定の意義。また、抗CCP抗体陽性のシェーグレン症候群の臨床的特徴について検討した。 【方法】当科通院中の74名のSS患者について抗CCP抗体、IgM-RFを測定した。また、診療録をもとにRAの合併および関節症状の有無についても検討した。初診時にX線上骨破壊認めた群や、RAの経過中にSSを発症した群は除外した。 【結果】74例中12例(16.2%)がACRの関節リウマチ改訂分類基準を満たした。抗CCP抗体陽性は9例(75%)に認めた。一方、RAの診断基準を満たさなかった62例のSSのうち抗CCP抗体陽性は3例(5%)のみであった(P<0.00001)。また、関節症状は53例(72%)に認め、IgM-RFは29例(55%)に陽性であり、関節症状認めない群でもIgM-RFは13例(66%)に陽性であった。一方、抗CCP抗体は関節症状を認めた群では12例(23%)に陽性であったのに比べ、関節症状認めない群では全例陰性であった。 【考察】抗CCP抗体はIgM-RFに比べRAとSSの鑑別に有用であると思われた。

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© 2007 日本臨床免疫学会
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