日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: S2-1
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合同シンポジウム2 免疫疾患の病態解明と診断の進歩
Th17細胞と皮膚疾患
*戸倉 新樹
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抄録
Th17細胞は生体防御において重要な役割を果たし,その機能が過剰に発揮された場合,自己免疫疾患を誘導し,様々な炎症状態を惹起させる。Th17細胞はIL-17のみならずIL-22を産生し,皮膚においてはIL-22受容体が表皮ケラチノサイトに存在する。IL-17とIL-22が協調的に作用して,サイトカイン,ケモカイン,抗菌ペプチドなどがケラチノサイトから産生される。Th17細胞は乾癬の病態に深く関与する。歴史的に乾癬の病態に関わるT細胞サブセットの概念は,Th1からTc1に変化し, そしてTh1に揺り戻し,現在はTh17細胞と進展している。IL-22はIL-17とともにSTAT3の活性化,IL-8の産生亢進,抗菌ペプチドの産生促進など乾癬にとって重要な事象に深く関与する。Th17細胞の機能維持のためにはIL-23が重要であり,IL-23は樹状細胞の一つであるTIP-DCによって産生される。TIP-DCの活性にはTNF-αがautocrine的に働く。乾癬に加え,Th17細胞はアトピー性皮膚炎や一部の薬疹の病態形成にも重要な役割を担う。特に好中球が表皮に集合するacute generalized exanthematous pustulosis (AGEP)という薬疹型では、薬剤に反応したTh17細胞が表皮ケラチノサイトに働き駆けIL-8産生を促し、微小膿疱を形成することが考えられる。
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© 2011 日本臨床免疫学会
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