Functional Food Research
Online ISSN : 2434-3048
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中高齢健常成人を対象としたアガロ(寒天)オリゴ糖摂取の膝および腰に対する効果―無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―
唐澤 幸司遠藤 博深川 光彦朝長 昭仁長岡 功
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2025 年 21 巻 p. 73-85

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抄録
本研究では,膝関節に不快感または軽度の痛みがある中高齢の健常な成人を対象に,アガロ(寒天)オリゴ糖を毎日摂取した場合の膝と腰への影響を調査した.膝関節に不快感または軽度の痛みがある40~71歳の50名を被験者として,ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験を実施した.被験者は,アガロ(寒天)オリゴ糖を還元末端の3,6-アンヒドロ-L-ガラクトースとして42 mg/日含む被験食品またはプラセボを12週間摂取するようにランダムに割り当てられた.主要評価項目は,日本版変形性膝関節症患者機能評価尺度(JKOM)のスコアで評価し,副次評価項目は,日本語版Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score(JKOOS),日本整形外科学会変形性膝関節症治療成績判定基準(膝JOAスコア),膝関節可動域,Visual Analogue Scale(VAS)(安静時,歩行時,階段昇降時の膝の痛み),疾患特異的・患者立脚型慢性腰痛症患者機能評価尺度(JLEQ)で評価した.さらに,血液中の炎症マーカーを分析した.その結果,主要評価項目であるJKOMの項目IIの設問7「この数日間,しゃがみ込みや立ち上がりのとき膝が痛みますか」のスコアの変化量は,6週目と12週目に被験食品群でプラセボ群と比較して有意に減少したが(p ‹ 0.05),被験食品群とプラセボ群の間でJKOMの他のサブスケールまたは合計スコアに有意な変化は見られなかった.さらに,副次評価項目では,JLEQの項目IIIの設問17の「この数日間,腰痛のため,腰を捻って後ろのものをとろうとするのはどの程度困難ですか」とVAS「階段昇降時の痛み」のスコアの変化量は,12週目に被験食品群でプラセボ群と比較して有意に減少した(p ‹ 0.05).今回の結果は,アガロ(寒天)オリゴ糖の摂取が,中高齢の健常な成人の日常動作時の膝の違和感や軽度の痛みを軽減し,腰を捻る動作時の負担を軽減する可能性があることを示唆した.
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© 2025 ファンクショナルフード学会
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