日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: S2-4
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合同シンポジウム2 免疫疾患の病態解明と診断の進歩
ヘルパーT細胞を軸とした癌免疫応答の制御ー基盤研究から次世代癌ワクチン、H/K-HELPの発見までー
*西村 孝司
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抄録
ヘルパーT細胞を軸とした癌免疫応答の制御―基盤研究から次世代癌ワクチン、H/K-HELPの発見まで 西村孝司 北海道大学遺伝子病制御研究所 免疫制御・ROYCE’健康バイオ 我々は担癌宿主における強い免疫抑制を打破して,抗腫瘍免疫を増強するためにはヘルパーT細胞を軸とした免疫応答制御,特にTh1主導免疫の導入が重要であることを提唱して来た。この基盤研究を臨床研究に結びつけるために癌抗原ヘルパーエピトープとキラーエピトープを人工的に結合させたHelper/killer hybrid epitope long peptide (H/K-HELP)を世界に先駆け開発し、ヒト癌抗原(MAGE-A4、Survivin)H/K-HELPを用いた癌ワクチン治療の第I相臨床試験を実施した。H/K-HELP-Survivinワクチン治療によりTh1依存的癌特異的免疫応答が誘導され,制癌剤治療耐性、放射線治療耐性の再発頸部リンパ節転移乳癌患者においては、評価対象病変が画像上完全に消失した。またH/K-HELP-MAGE-A4を用いた大腸癌の肺転移症例においても、癌特異的Th1依存的免疫反応が誘導され転移病巣の増大が抑えられた。癌抗原ヘルパーエピトープとキラーエピトープを人工的に結合させた40merのロングぺプチドH/K-HELPは8-9アミノ酸のショートぺプチド癌ワクチンに比し,より強い,持続的なTh1依存的癌特異的免疫を生体内で誘導し,より有効な癌治療効果を示した。従って,ロングぺプチドH/K-HELP癌ワクチン治療は次世代癌ワクチンとして取り組むべき重要課題であると考えられる。
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© 2011 日本臨床免疫学会
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