日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: S2-5
会議情報

合同シンポジウム2 免疫疾患の病態解明と診断の進歩
制御性T細胞、制御性NK細胞からみた妊娠維持機構
*齋藤  滋
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
異物である胎児を許容するために、妊娠中にトレランスが誘導されると考えられている。事実、トレランスを誘導する制御性T細胞(Treg)は妊娠時に子宮で増加し、異常妊娠である流産や妊娠高血圧腎症(Preeclampsia)では低下する。しかし胎児抗原特異的Treg細胞(F-Ag Treg)が増加するかは解明されていない。我々はBALB/c×DBA/2の交配でDBA/2に発現するMls Ia抗原がT細胞受容体Vβ6で認識されることを利用して、CD4+Foxp3+Vβ6+Ki67+細胞を、胎児抗原を認識し増殖しているTreg細胞とした。F-Ag Treg細胞は着床前のday 3.5に子宮領域リンパ節で増加し、着床後は子宮内で増加したが、表在リンパ節や脾臓での変化はなかった。またF-Ag Treg細胞はCCR5、CCR4を高発現しており、これらのTreg細胞はヒト流産子宮でも減少していた。  子宮に存在するリンパ球は主にNK細胞である。T細胞、B細胞を欠損するNOD/SCIDマウスをアロ交配した際、抗CD25抗体を投与すると流産率は著明に上昇した。我々は妊娠子宮にはCD25+NK細胞が著増し、これらNK細胞がTGFβやIL-10 を産生することを認めた。さらにNOD/SCIDマウスにBALB/c由来CD4+CD25+細胞を除去したリンパ球を輸注しTreg欠損マウスを作製し、アロ交配させると流産率が増加したが、その際妊娠子宮から分離したCD25+NK細胞を輸注すると流産率が減少した。つまり妊娠維持にはTregとNKregが重要な役割を果たすことが判った。
著者関連情報
© 2011 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top