日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: PW-68
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一般演題(ポスターワークショップ)
日本における腸管ベーチェット病に対するInfliximabの使用実態
*渡邉 玲光岳野 光洋長堀 正和黒沢 美智子上原 里程永井 正規石ヶ坪 良明
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抄録

【目的】腸管ベーチェット病はステロイドや免疫抑制剤治療に抵抗性であることが少なくないが、近年、infliximab (IFX)の有効性を示す報告が本邦を中心に蓄積されている。本研究ではその実態を把握するために、全国調査を施行した。 【対象および方法】厚生労働省ベーチェットに関する調査研究班で施行した6,700診療科に対する特殊病疫学一次調査にて腸管型に対してIFX治療経験ありと回答した施設、炎症性腸疾患の専門施設、過去に文献・学会で関連報告のある施設を対象に二次調査を行い、38施設より回答のあった計96例のIFX治療歴のある腸管ベーチェット患者について臨床成績を解析した。 【結果】対象患者の眼症状は26%にとどまり、腹痛、下痢、下血を主症状とし、病変は回盲部に多発していた。ステロイド含む諸治療抵抗例が多く、47%は腸管切除などの手術を施行していた。IFX治療により58.3%の症例で臨床所見・内視鏡所見ともに改善が認められた。治療反応因子としては眼病変、関節病変の存在、前治療にステロイド投与歴がないことがあげられた。寛解到達中止は5例、副作用、無効による中止が19例であった。 【結論】抗TNF抗体は現時点では保険認可されていないが、難治性腸管ベーチェット病では有望な治療手段である可能性がある高い。

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© 2011 日本臨床免疫学会
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