臨床神経生理学
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原著
アロマテラピーが上肢での脊髄神経機能の興奮性に与える影響について
由留木 裕子鈴木 俊明文野 住文岩月 宏泰
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2014 年 42 巻 4 号 p. 87-99

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抄録
健常者を対象にラベンダーの香りが筋緊張 (上肢での脊髄神経機能の興奮性) にどのような影響を及ぼすのかF波を指標として検討した。研究1ではラベンダー1滴 (0.05ml) の刺激が, 研究2ではラベンダー3滴 (0.15ml) の刺激が上肢脊髄神経機能に与える影響について検討した。対象は研究1の健常者18名, 研究 2の健常者26名, コントロール群の健常者9名であった。方法はラベンダー精油1滴または3滴をフリーザーバッグ内のティッシュペーパーに滴下し酸素マスクに装着, 背臥位で2分間自然呼吸を行わせた。F波測定は安静時, 吸入開始時, 吸入1分後, 吸入終了直後, 吸入終了後5分, 10分および15分で行った。研究1と2の結果, ラベンダーの刺激終了後に上肢での脊髄神経機能の興奮性が低下することが示された。また, アロマテラピーの経験ない対象者において3滴でのラベンダー刺激中は上肢脊髄神経機能の興奮性が増加し, 刺激終了後は上肢脊髄神経機能の興奮性が抑制することが示唆された。
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© 2014 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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