臨床神経生理学
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特集「機能性神経障害の電気生理」
身体症状症における脳画像研究の現状
吉野 敦雄山脇 成人
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2022 年 50 巻 6 号 p. 487-491

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抄録

脳画像研究は, 様々な疾患に対して病態メカニズムの解明に向けて少しずつ進歩している。本稿では, 身体症状症 (疼痛が主症状のもの) について概括する。依然として報告数が少なく, 明確な病態メカニズムは明らかにされていないが, これまでの研究を踏まえると, 機能不全が指摘されているのは主に前帯状皮質, 前頭前皮質, 島皮質, 扁桃体, 海馬など疼痛関連領域である。特に島皮質は自身の身体内部や感情の情報をマッピングし, 環境情報を統合する中心的な機能を担っており, 身体症状症にとって重要な領域であると考えられている。しかしながら明確に把握するための評価指標は確立されておらず, 今後さらなる研究が必要である。

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© 2022 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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