2024 年 52 巻 6 号 p. 713-722
大脳基底核と小脳はそれぞれ大脳皮質とループ回路を構成し, 大脳皮質の活動をコントロールすることにより, 随意運動を中心に脳機能に重要な役割を果たしている。従来は大脳基底核と小脳とは独立して働いていると考えられてきたが, 最近では大脳基底核と小脳とが直接連絡していることが報告され, 大脳基底核と小脳の関係が注目されている。本稿では, 大脳基底核と小脳を巡る線維連絡, 機能の相違点・類似点について議論するとともに, パーキンソン病やジストニアなどの運動異常症における大脳基底核と小脳の関与についても考える。