2000 年 4 巻 1 号 p. 83-96
金沢市が市職員を対象に公募制による「教育行政研究グループ」を始めた。これは地方自治体の中の資質や研究能力に富む職員を公募の上,養成し,結果として,住民のニーズを把握し政策を開発し具体化していくことを目指した画期的な試みといえる。筆者はこの企画に当初から研究指導スタッフとして参加した。本報告では,この研究グループヘの参加者43人へのアンケートをもとにコミュニティ心理学的考察を行なった。
研究グループの存在と目的のひとつは,その結果を政策に反映し,自分の仕事は金沢市のために役立っているという自覚を持ってもらうことにあった。結果的には,提案した政策がすぐに反映された場合もあったし,反映されるまでには至らなかったが,長期的にみて資質向上のよい研修になったなどの感想があった。