2018 年 25 巻 2 号 p. 216-218
投球障害の原因としてこれまでに体格や身体特性など様々な要因が検討されている.本研究では高校生野球投手を対象に,関節可動域と肘関節障害の関係および肩関節と股関節の関係について検討した.対象は京都府高等学校野球連盟に所属する選手164名とした.肩関節2nd外旋・内旋,3rd内旋,股関節屈曲・内旋・外旋・外転,頚部・体幹回旋の各角度を測定した.対応のないt検定を用い,肘関節障害の有無で各関節可動域を比較・検討した.肘関節障害の有無に関わらず,関節可動域に有意差をみとめなかった.投球障害の原因は多くの因子が関係し,関節可動域自体も様々な因子に影響を受けるため,今後は多因子での検討を進める必要があると考えた.